
山川ウプカー|湧き水を御神体とする宮古島北部の聖地
湧き水が導く静寂と涼しさ
宮古島北部、山川集落から少し奥へ進むと、緑に包まれた小道の先に「山川ウプカー」が現れます。ここは湧き水を御神体とする御嶽で、地域の人々は古くからこの水を神として敬い、生活の安泰・健康長寿・五穀豊穣を祈ってきました。
古くから集落の生活用水として利用されてきた井戸で、今も清らかな水が湧き続けています。周囲は静かな自然に包まれ、島の歴史と暮らしを感じられるスポットです。📍 Googleマップで場所を確認する

森の入口から一歩踏み入れると、周囲を覆うフクギやクバの葉が強い日差しを遮り、空気はひんやり。足元からはサラサラと水音が響き、まるで別世界に入ったような感覚に包まれます。滑りやすい岩や苔が多いため、訪問時は歩きやすい靴がおすすめです。

自然と植生の豊かさ
山川ウプカー周辺は、亜熱帯性の常緑広葉樹と湿地性植物が混在する、宮古島でも珍しい環境です。
- 高木層:フクギ、タブノキ
- 低木層:クバ(ビロウ)、イヌビワ、アコウの幼木
- 湿地植物:クワズイモ、オオタニワタリ、シダ類
- 水辺の苔や藻類:湧水の清らかさを物語る緑のじゅうたん
湧水は岩の割れ目から勢いよく流れ出し、小さな滝のように水面を叩き、すぐ近くに澄み切った水溜まりをつくります。この水は古くから飲料水や農業用水として利用され、周辺の水田や畑を潤してきました。


歴史と文化的背景
18世紀の史料「雍正旧記」には「山川但洞川。堀年数不相知」と記され、間切時代からの湧水として知られています。
かつては上水道が整備される1965年まで、山川集落や周辺地域の命の水源でした。水路はやがて下流の浜へと続き、肥沃な土地「長間田」を形成。米作や野菜栽培を支え、村の繁栄に大きく貢献しました。
湧水そのものを神として祀る山川ウプカーは、自然信仰の象徴であり、水神への感謝と共に、人々の暮らしと深く結びついた場所です。

現地で感じる魅力
- 水音と緑の調和:澄んだ水が岩肌を流れる音と、周囲を囲む植物のざわめきが心を癒す
- 清涼な空気:日差しを遮る樹木と湧水の蒸散効果で、真夏でも驚くほど涼しい
- 歴史を感じる水辺:石で囲まれた湧出口や流路が、かつての生活の跡を静かに物語る
訪問のポイント
- 所在地:沖縄県宮古島市(山川集落北側)
- アクセス:市街地から車で約25〜30分。山川集落内の道は狭く、徒歩でのアプローチが安心。
- 服装:滑りやすい場所が多いため、歩きやすい靴と動きやすい服装がおすすめ
- マナー:御神体は水そのもの。足を入れたり、物を投げ入れる行為は厳禁。静かに参拝を。
まとめ
山川ウプカーは、宮古島の自然信仰と生活史が凝縮された**「命の水の御嶽」**です。

鬱蒼とした植物群落の中で湧き出す水の音を聞きながら、島の人々が何世代にもわたって守り続けた自然の恵みと信仰の深さを感じられるでしょう。御嶽巡りの旅において、心身を清めるような静かな時間を過ごせるスポットです。
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