
宮古ブルーの海と自然の美しさに惹かれ、国内外から多くの観光客が訪れるようになった宮古島。リゾート開発や宿泊施設の建設が進み、かつて静かだった町並みにも変化が訪れました。

その一方で、今、島の暮らしを支える「住まい」が急速に失われつつあります。観光ブームの裏で起きている、地元住民の住環境の危機に目を向けなければなりません。
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💸 家賃は“倍増”から“数倍”へ──もはや一般家庭には手が届かない現実
「10年以上住んだアパートが、突然取り壊されてリゾート用に建て替えられた」
「大家さんが、観光客向けに短期貸しする方が儲かると言って、契約更新を断られた」
そんな声は、もはや珍しくありません。
特に深刻なのが家賃相場の急騰です。
かつて5〜6万円だった2LDKの賃貸物件は、現在では10万円でも借りられず、15万から20万円前後にまで上昇しています。
この水準は、地元で暮らす子育て世帯や単身世帯、高齢者にとってあまりにも高く、生活そのものが成り立たないという声が各地で上がっています。
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🏚️ 消えていく“日常の住まい”とその余波
今、空いている物件の多くが「住宅」ではなく、「民泊」「貸別荘」「短期滞在用施設」として運用されています。
住宅検索サイトには観光客向けの高級貸しが並び、長期居住者向けの賃貸は極端に減少。
賃貸物件があっても「地元住民には貸さない」と言われる事例も。
この傾向は、住まいを失うだけでなく、地元の学校・福祉・商店などの地域インフラにも影響を及ぼしています。住民の減少により、小学校の統廃合や地域コミュニティの希薄化が懸念されています。
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👪 地元の若者・高齢者・移住希望者に立ちはだかる“住めない島”
• 「島で育ち、結婚しても住む家がない」
• 「子どもと暮らせる家を探して何ヶ月も見つからない」
• 「移住を希望していたが、家賃の高さに断念した」
暮らしたいのに暮らせない──。
この現実は、宮古島の未来を支える世代の流出にもつながりかねません。観光収入の増加と引き換えに、島の未来が揺らいでいるのです。
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🧭 「観光」と「暮らし」を両立させる道を考える
私たち「みゃーくずみ」は、観光による経済的恩恵を否定するつもりはありません。
しかし今、島の本来の目的──“人が安心して暮らせる場所”という原点が、観光バブルの陰に隠れようとしています。
観光が「島を訪れる体験」なら、暮らしは「島を支える根」です。
この2つが共に成り立ってこそ、宮古島の未来は持続可能なものとなります。
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🌿 みゃーくずみからの提言
🏠 1. 地元居住者向け住宅の支援と確保
高騰した家賃に対して、行政・民間・地域一体となった住宅支援制度の整備が必要です。
📊 2. 民泊・投資物件の管理ルール整備
民泊と長期賃貸のバランスを保つために、運営ルールや区域制限の明確化が求められます。
🌺 3. “共生型観光”の啓発と推進
観光客にも、島の文化や住民の生活環境に対する配慮と理解を促す教育が必要です。

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📝 編集後記|島の未来を守る選択を、いま
この島は「観光地」である前に、誰かの「ふるさと」です。
その風景や空気は、地元の人たちの日常に根ざしたものです。
宮古島の未来に、観光と暮らしが調和する道があると信じて、「みゃーくずみ」はこれからも声を上げていきます。
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