島尻のパーントゥ祭り完全ガイド|泥の福を招く宮古島の来訪神

🪅 泥にまみれて福を招く——宮古島の奇祭「パーントゥ祭り」

🐾 島尻のパーントゥ祭り完全ガイド|泥にまみれて厄を祓う“宮古島の神事”

宮古島の秋を象徴する神事「島尻のパーントゥ祭り」は、全国でも類を見ない“泥を塗られることで福を招く”伝統行事です。強烈なインパクトと深い精神性を併せ持ち、2018年にはユネスコ無形文化遺産に登録されました。「奇祭」と呼ばれることもありますが、実際には“村を守る祈りの儀式”。観光で訪れて体験できる“本物の文化”として国内外から注目が高まっています。

1984年当時のパーントゥ写真本地さん提供

■ パーントゥとは|泥をまとい村に福をもたらす来訪神

パーントゥは、泥と蔓草を全身にまとい、特徴的な仮面(マスク)をかぶった来訪神です。起源ははっきりしていませんが、外から入る災いや病を村から追い払い、住民に健康と幸せをもたらす存在として信じられてきました。パーントゥは村中を歩き回り、人々、家、車、店先に泥を塗っていきます。この泥は“汚れ”ではなく厄除けと福の印。

塗られた人は「1年健康に過ごせる」「災いから守られる」と言われています。

写真は友人の風間さん提供

■ 島尻のパーントゥの特徴|3体の神が村を歩き、人と家と暮らしと共にある祭り島尻地区では、パーントゥは3体現れます。爆発的に走り回るのではなく、重い足取りで淡々と村を巡り、遭遇した人へ自然に手を伸ばし、泥を塗る。

写真は友人の風間さん提供

観光客だからといって特別扱いはありません。逃げても追われ、立ち止まれば優しく、あるいは勢いよく泥を塗られます。この“境界がない空間”が、島尻のパーントゥの大きな魅力です。泣き叫ぶ子ども、笑う大人、泥を塗られて喜ぶ観光客。村全体がひとつの「生きた舞台」になります。

■ なぜ泥を塗るのか|無病息災・家内安全・厄払いの祈り

パーントゥが塗る泥には意味があります。

・災いを落とす・悪い気を村の外へ流す・新しい1年を健やかに迎える

村にとっては「泥を塗られる=守られる」こと。だから、泥を避けることは“祝福を断る”ことにもなります。受け入れる心があるほど、この神事は深く体験できます。

写真は友人の風間さん提供

■ 開催時期と場所|アクセスのポイント

開催時期:例年10月上旬(年により日程は非公開の場合あり)

場所:宮古島市平良島尻地区

アクセス:宮古空港から車で約20分

※日程は直前に変わることがあるため、必ず事前に確認が必要です。

■ 参加時の服装と持ち物|本気で“泥にまみれる前提”で行く

・汚れてもいい服(白系の服は写真映え&塗ってもらいやすい)・歩きやすいサンダルや運動靴・タオル・飲み物・スマホは防水ケースが必須・カメラを使うならストラップ付き推奨

車で行く場合・座席にレジャーシート・車内用ゴミ袋・替えの服を車に常備

泥は乾けば比較的落ちやすいので、心配しすぎなくて大丈夫です。

■ 観光客が守るべきマナー|これは“祭り”ではなく“神事”

パーントゥ祭りは“見世物”ではありません。

地元の信仰に敬意を払うことが最重要です。

・泥を拒否して怒る、避け続ける行為はNG・パーントゥを押す・掴む・妨害する行為は絶対にNG・泣いている子どもを笑いの対象にしない・撮影はOKだが、至近距離のフラッシュ撮影は避ける「写真を撮りながら参加する」のではなく**“文化の中に自分が入る”**姿勢が大切です。

■ どこで見ればいい?|決まった観覧席は存在しない祭り

島尻のパーントゥは、村内を自由に歩き回ります。そのため「ここがベストスポット」という場所はありません。路地、家の前、集落中心部など、村全体が祭場です。立ち止まるのではなく、“一緒にその空気の中にいる”ことが体験となります。

■ 終了後の流れ|シャワー施設はほぼ無いので宿に戻って洗うパーントゥエリア周辺にはシャワー施設はほとんどありません。宿に戻って落ち着いて着替え・洗浄するのが基本です。泥は乾けば比較的落ちやすく、海水シャワーやシャンプーで簡単に落ちます。

■ ユネスコ無形文化遺産としての意義

2018年にユネスコ無形文化遺産として正式登録されたパーントゥ。日本国内でも数少ない“実際に体験できる無形遺産”として、海外からも注目されています。泥を塗りたくられるだけの祭りに見えて、そこには島の信仰、共同体意識、自然とのつながりが色濃く息づいています。

まとめ:泥に塗られてこそ“本物の宮古島”

パーントゥ祭りは、観光イベントというよりも**地域に深く根ざした“生きた文化”**です。しかし、そこに旅人が加わることで、より大きな意味を持つ瞬間が生まれます。宮古島に訪れるなら、一度は体験しておきたい“心と身体で感じる祭り”。

泥を避けずに、あえて飛び込んでみてください。それは、忘れられない宮古島の思い出になるはずです。

❓パーントゥ祭り(宮古島)よくある質問(FAQ)

Q1. パーントゥとは何ですか?

A. パーントゥとは、全身に泥を塗り、ツル草などをまとった仮面の神の姿をした存在です。

宮古島に古くから伝わる厄除け・悪霊払いの神で、村を練り歩きながら人々や家、車などに泥を塗って回ります。

その泥には「福を招く」「災いを祓う」意味が込められており、塗られた人は無病息災・家内安全のご利益があるといわれます。

Q2. パーントゥ祭りはどこで行われますか?

A. 宮古島では主に以下の2つの地区で行われます。

  • 島尻地区(しまじり):泥を全身に塗った3体のパーントゥが登場し、村を練り歩きます。
  • 野原地区(のばる):草や葉をまとった「サティパロウ」と呼ばれる形で行われ、起源が異なるとされています。
    どちらの祭りもユネスコ無形文化遺産に登録されており、宮古島を代表する伝統行事です。

Q3. パーントゥ祭りはいつ開催されますか?

A. 例年10月上旬に開催されますが、正確な日程は非公開とされています。

これは地域の信仰に基づくため、年ごとに異なり、詳細は宮古島観光協会や市の公式サイトで事前に確認するのがおすすめです。

観光目的で訪れる際は、1〜2日前から現地入りしておくと確実です。

Q4. 観光客もパーントゥ祭りに参加できますか?

A. はい。観光客でも見学・参加が可能です。

ただし、泥を塗られることは避けられません。

見学者もパーントゥに狙われるため、汚れても良い服装での参加が必須です。

地元では「泥を塗られる=福を授かる」とされているため、むしろ積極的に塗ってもらう観光客も多く見られます。

Q5. パーントゥ祭りではどんな服装・持ち物が必要ですか?

A. 以下の準備をしておくと安心です。

  • 汚れても良い服(白い服だとパーントゥに見つかりやすく、体験を楽しめます)
  • 着替え・タオル・水
  • レジャーシートやゴミ袋(車内の汚れ防止用)
  • 濡れた服を入れる袋
    ※ 泥はかなり強烈に塗られるため、貴重品やカメラの防水対策も忘れずに。

Q6. 祭りの会場までのアクセスは?

A.

  • 島尻地区:宮古空港から車で約20分
  • 野原地区:宮古空港から車で約15分
    どちらも公共交通機関が限られるため、レンタカーでの来場が一般的です。
    ただし、駐車場は少なく路上駐車が多いため、早めの到着が推奨されます。

Q7. 泥を塗られた後、シャワーや着替えはどうすればいいですか?

A. 祭り会場の周辺には、すぐ使えるシャワー施設はほとんどありません。

宿泊先(ホテルや民宿)に戻ってから洗うのが基本です。

レンタカー利用の場合は、シートを汚さないよう防水カバーやタオルでの養生をしておきましょう。

Q8. 撮影やSNS投稿はしても大丈夫ですか?

A. 観光客による撮影は可能ですが、マナーを守ることが前提です。

以下の点に注意してください:

  • 無断で地元住民や子どもにカメラを向けない
  • 泥を嫌がる人を執拗に撮影しない
  • パーントゥの進行を妨げる行為は厳禁
    記録よりも「その場の体験」を重視し、地元の神事であることを尊重しましょう。

Q9. パーントゥの泥にはどんな意味がありますか?

A. パーントゥが塗る泥は、「厄除け」「福を呼ぶ」「病を防ぐ」象徴とされています。

地元では、この泥を家の壁や車にあえて残しておく人も多く、**“幸運の泥”**として大切にされています。

嫌がって避けるより、素直に受け入れるのがこの祭りの醍醐味です。

Q10. パーントゥ祭りはなぜユネスコ無形文化遺産に登録されたのですか?

A. パーントゥは、宮古島における共同体の信仰・自然崇拝・地域文化を象徴する伝統行事として高く評価されています。

単なる観光イベントではなく、**“今も生き続ける信仰文化”**としての価値が認められ、2018年にユネスコ無形文化遺産に登録されました。

この登録は、地域住民が世代を超えて伝統を守り続けている証でもあります。

Q11. 泥を塗られるのが苦手な人はどうすればいいですか?

A. 会場の端や少し離れた場所から見学することで、泥を避けることは可能です。

ただし、パーントゥは予測不能な動きをするため、絶対に塗られない保証はありません。

「観るより感じる」を意識して、少しでも体験を楽しむ気持ちで参加するのがおすすめです。

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