2025年も宮古島に台風接近無し？考えられる原因と海への影響

2025年は9月時点で宮古島に台風がほとんど接近していません。
「今年は穏やかな年だね」と安心する声がある一方で、自然環境には見えない変化が起きています。
この記事では、なぜ台風が少ないのか、そして台風が少ないことで宮古島の海にどのような影響があるのかをわかりやすく解説します。

⚠️ 最新情報に注意
9月下旬は先島諸島で大しけの恐れが予測されています。
「2025年は接近ゼロ」と断定せず、気象庁の台風情報をこまめに確認しましょう。

なぜ2025年は台風が少ないのか？

• ENSO（エルニーニョ・ラニーニャ）の影響 2024年に強いエルニーニョが終わり、2025年は「中立」の状態へ。赤道付近の風が強まり、台風が発生しにくくなりました。^[1]
• 太平洋高気圧の位置 太平洋高気圧が例年より強く張り出したため、台風が宮古島へ向かわず本州方面や南シナ海へ進むケースが増えています。^[2]
• 発生地域の変化 研究では、台風の発生地点やピーク緯度が年々北へずれていると報告されています。^[3]

台風発生地域は本当に変わっている？

過去数十年の観測データから、台風の発生緯度やピーク緯度が少しずつ北上していることが分かっています。^[3]
これにより「宮古島をかすめる台風」よりも「本州へ向かう台風」や「南シナ海に抜ける台風」が目立つ年が増えました。
気候変動が進むなか、台風の進路や強さが従来の常識とは変わりつつあります。

台風が少ないと宮古島の海に何が起きる？

観光にとってのメリット

• 海の透明度が高い日が続く 台風の大波や濁りが少ないため、ダイビングやシュノーケリングでは「当たり日」が増えます。
• 沿岸被害が少ない 強烈な波による砂浜の侵食や漂着ゴミの増加が抑えられるため、ビーチで過ごしやすい環境が保たれます。

自然環境にとってのデメリット

• サンゴの白化が深刻化 台風は本来、海水をかき混ぜて水温を下げる役割も果たします。接近が少ないと水温が高止まりし、サンゴが白くなりやすくなります。2023〜2025年にかけて、宮古島周辺でも大規模な白化が確認されています。^[4]
• 海の栄養循環が停滞 台風による海水の撹拌が不足すると、栄養塩の供給が減り、プランクトンが減少。結果として魚の餌環境にも影響が及ぶ可能性があります。

観光にとっては「台風が来ない＝快適」ですが、自然にとっては「台風が無い＝ストレスが溜まる」ことでもあります。 つまり台風は時に破壊的でも、海にとっては必要な存在なのです。

まとめ｜台風が少ない年の宮古島をどう見るか

2025年は台風の接近が少ない特異な年となっています。
観光業にとっては追い風ですが、海の環境には長期的なリスクが隠れています。
「台風が無いから安心」ではなく、「その裏で海に何が起きているのか」を知ることが大切です。
宮古ブルーを未来へ残すために、島を訪れる一人ひとりが環境に配慮した行動を心がけましょう。

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参考・出典
[1] 気象庁「エルニーニョ監視速報」
[2] 日本気象協会 tenki.jp「台風進路と太平洋高気圧の関係」
[3] Kossin, J.P. et al. (2014) “The poleward migration of the location of tropical cyclone maximum intensity” Nature
[4] NOAA Coral Reef Watch「Global Coral Bleaching Event 2023-2025」, 環境省「沖縄周辺サンゴ白化モニタリング報告」

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