
🪅 泥にまみれて福を招く——宮古島の奇祭「パーントゥ祭り」
宮古島の秋を代表する伝統行事「パーントゥ祭り」は、他では体験できない強烈なインパクトと神聖さを併せ持つ、唯一無二の伝統行事です。毎年10月上旬に、島尻地区および野原地区で開催され、観光客をも巻き込む“泥の祝福”が宮古島に響き渡ります。
1984年当時のパーントゥ写真本地さん提供


■ 厄を祓い、福を呼び込む神「パーントゥ」
パーントゥとは、泥を全身に塗り、ツル草などをまとった仮面の神の姿。起源ははっきりしていませんが、外来の邪気や災厄を村の外へ追い払う厄除け神としての役割を担ってきました。パーントゥは村を徘徊し、通りすがりの人々や民家の玄関、さらには車にまで泥を塗りつけていきます。
その泥こそが「福の印」。嫌がる人にも容赦なく塗ってくるため、地元の子どもたちは泣きながら逃げ回り、大人たちも笑いながら泥まみれになります。この非日常的な光景こそが、宮古島の秋の風物詩なのです。

■ 島尻と野原、二つのパーントゥ
パーントゥ祭りは、**島尻地区(しまじり)と野原地区(のばる)**で行われますが、それぞれで形式が異なります。
- 島尻のパーントゥは、ドロドロの神が3体登場し、村中を歩き回る姿が特徴的。
- 一方、**野原地区のパーントゥ(サティパロウ)**は、祭りの起源が異なるとされ、泥ではなく草や葉をまとったパーントゥが家々を回ります。どちらもユネスコ無形文化遺産に登録されており、島の文化的誇りとして大切に受け継がれています。

■ 体験型祭りとして観光客にも人気
観光客でも、泥を塗られることで参加できるのが、この祭りのユニークなところ。見学者であってもパーントゥに狙われるため、参加には“汚れてもいい心構え”が必要です。
「服が汚れるからイヤだ」と思う人もいるかもしれませんが、塗られた泥には“無病息災・家内安全”のご利益が込められており、地元ではありがたいものとされています。むしろ白い服を着て目立つことで、積極的に泥を塗ってもらうという人も。
写真は友人の風間さん提供

■ 開催概要と現地での注意点
- 開催時期:例年10月上旬(年により日程非公開のため、観光協会への事前確認が必須)
- 会場:宮古島市平良島尻地区、上野地区野原
- アクセス:宮古空港から車で約15〜20分、路上駐車が主のため早めの到着が推奨
- 服装&持ち物:
- 汚れてもいい服(特に白い服がおすすめ)
- 着替え・タオル・水
- 車で行く人は、車内を汚さない工夫(レジャーシートやゴミ袋での防護)も忘れずに
※ 観光客の参加は歓迎されている一方、撮影マナーや見学位置には一定の配慮が求められます。パーントゥに触れたり、嫌がる様子を執拗に撮影する行為は避けましょう。
■ ユネスコ無形文化遺産としての意義
2018年にユネスコ無形文化遺産として正式登録されたパーントゥ。日本国内でも数少ない“実際に体験できる無形遺産”として、海外からも注目されています。泥を塗りたくられるだけの祭りに見えて、そこには島の信仰、共同体意識、自然とのつながりが色濃く息づいています。
🧴観光後はシャワーの準備も
近隣にはすぐにシャワー施設があるわけではないため、宿泊先に戻っての着替えや洗浄を想定して行動しましょう。レンタカーで移動する場合は、座席に汚れ防止のカバーを設置しておくと安心です。
まとめ:泥に塗られてこそ“本物の宮古島”
パーントゥ祭りは、観光イベントというよりも**地域に深く根ざした“生きた文化”**です。しかし、そこに旅人が加わることで、より大きな意味を持つ瞬間が生まれます。宮古島に訪れるなら、一度は体験しておきたい“心と身体で感じる祭り”。
泥を避けずに、あえて飛び込んでみてください。それは、忘れられない宮古島の思い出になるはずです。
❓パーントゥ祭り(宮古島)よくある質問(FAQ)
Q1. パーントゥとは何ですか?
A. パーントゥとは、全身に泥を塗り、ツル草などをまとった仮面の神の姿をした存在です。
宮古島に古くから伝わる厄除け・悪霊払いの神で、村を練り歩きながら人々や家、車などに泥を塗って回ります。
その泥には「福を招く」「災いを祓う」意味が込められており、塗られた人は無病息災・家内安全のご利益があるといわれます。
Q2. パーントゥ祭りはどこで行われますか?
A. 宮古島では主に以下の2つの地区で行われます。
- 島尻地区(しまじり):泥を全身に塗った3体のパーントゥが登場し、村を練り歩きます。
- 野原地区(のばる):草や葉をまとった「サティパロウ」と呼ばれる形で行われ、起源が異なるとされています。
どちらの祭りもユネスコ無形文化遺産に登録されており、宮古島を代表する伝統行事です。
Q3. パーントゥ祭りはいつ開催されますか?
A. 例年10月上旬に開催されますが、正確な日程は非公開とされています。
これは地域の信仰に基づくため、年ごとに異なり、詳細は宮古島観光協会や市の公式サイトで事前に確認するのがおすすめです。
観光目的で訪れる際は、1〜2日前から現地入りしておくと確実です。
Q4. 観光客もパーントゥ祭りに参加できますか?
A. はい。観光客でも見学・参加が可能です。
ただし、泥を塗られることは避けられません。
見学者もパーントゥに狙われるため、汚れても良い服装での参加が必須です。
地元では「泥を塗られる=福を授かる」とされているため、むしろ積極的に塗ってもらう観光客も多く見られます。
Q5. パーントゥ祭りではどんな服装・持ち物が必要ですか?
A. 以下の準備をしておくと安心です。
- 汚れても良い服(白い服だとパーントゥに見つかりやすく、体験を楽しめます)
- 着替え・タオル・水
- レジャーシートやゴミ袋(車内の汚れ防止用)
- 濡れた服を入れる袋
※ 泥はかなり強烈に塗られるため、貴重品やカメラの防水対策も忘れずに。
Q6. 祭りの会場までのアクセスは?
A.
- 島尻地区:宮古空港から車で約20分
- 野原地区:宮古空港から車で約15分
どちらも公共交通機関が限られるため、レンタカーでの来場が一般的です。
ただし、駐車場は少なく路上駐車が多いため、早めの到着が推奨されます。
Q7. 泥を塗られた後、シャワーや着替えはどうすればいいですか?
A. 祭り会場の周辺には、すぐ使えるシャワー施設はほとんどありません。
宿泊先(ホテルや民宿)に戻ってから洗うのが基本です。
レンタカー利用の場合は、シートを汚さないよう防水カバーやタオルでの養生をしておきましょう。
Q8. 撮影やSNS投稿はしても大丈夫ですか?
A. 観光客による撮影は可能ですが、マナーを守ることが前提です。
以下の点に注意してください:
- 無断で地元住民や子どもにカメラを向けない
- 泥を嫌がる人を執拗に撮影しない
- パーントゥの進行を妨げる行為は厳禁
記録よりも「その場の体験」を重視し、地元の神事であることを尊重しましょう。
Q9. パーントゥの泥にはどんな意味がありますか?
A. パーントゥが塗る泥は、「厄除け」「福を呼ぶ」「病を防ぐ」象徴とされています。
地元では、この泥を家の壁や車にあえて残しておく人も多く、**“幸運の泥”**として大切にされています。
嫌がって避けるより、素直に受け入れるのがこの祭りの醍醐味です。
Q10. パーントゥ祭りはなぜユネスコ無形文化遺産に登録されたのですか?
A. パーントゥは、宮古島における共同体の信仰・自然崇拝・地域文化を象徴する伝統行事として高く評価されています。
単なる観光イベントではなく、**“今も生き続ける信仰文化”**としての価値が認められ、2018年にユネスコ無形文化遺産に登録されました。
この登録は、地域住民が世代を超えて伝統を守り続けている証でもあります。
Q11. 泥を塗られるのが苦手な人はどうすればいいですか?
A. 会場の端や少し離れた場所から見学することで、泥を避けることは可能です。
ただし、パーントゥは予測不能な動きをするため、絶対に塗られない保証はありません。
「観るより感じる」を意識して、少しでも体験を楽しむ気持ちで参加するのがおすすめです。
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祭りの後は夜空を見上げて、島の静かな時間を堪能。
編集者より:
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