沖縄を代表する伝統酒「泡盛」は、タイ米を原料に黒麹菌を使って発酵・蒸留する独自の製法で造られた蒸留酒です。その中でも、宮古島は古くから泡盛文化が根付いた土地であり、島の自然・風土・人々の暮らしと密接に結びついてきました。

宮古島には現在6つの酒造所が存在し、それぞれが受け継がれた技と想いを守りながら、時には革新的な取り組みも取り入れつつ、個性豊かな泡盛を造り続けています。また、地元の泡盛を豊富に取り揃える酒屋も点在し、旅人にとって忘れがたい“島の一杯”との出会いを提供してくれます。
ここでは、宮古島で訪れるべき泡盛酒造と、ぜひ立ち寄りたい3つの酒屋をご紹介します。
【宮古島の6つの酒造所】
■ 多良川酒造
「洞窟が生む、時の深み。地元に愛される老舗の味。」
1954年創業の多良川酒造は、観光客から地元民まで幅広い支持を受ける老舗。最大の特徴は、天然の洞窟を活かした「古酒(くーす)」の熟成です。洞窟内は年間を通じて温度と湿度が安定しており、泡盛がゆっくりと深みを増していきます。酒造見学や洞窟見学も人気です。
住所:沖縄県宮古島市平良字下里241
電話:0980-77-4108
公式サイト

■ 菊之露酒造
「島の名を背負う、重みと誇りのある一杯。」
創業は昭和初期。看板銘柄の「菊之露」は、濃厚で深みのある味わいが特徴で、宮古島を代表する泡盛として県外でも高い評価を得ています。伝統製法を守りながら、プレミアムラインや若い世代に向けたボトルデザインにも力を入れています。
住所:宮古島市平良字西里290
電話:0980-72-2669
公式サイト

■ 宮の華
「女性の感性が育む、やわらかな余韻と美しさ。」
伊良部島で1948年に創業。杜氏を含むスタッフの多くが女性であることが特徴で、繊細な感覚を生かした泡盛造りが魅力。女性向けに開発されたやさしい口当たりの商品や、デザイン性の高いボトルも人気。蔵の名には「宮古の枯れない心の華」という想いが込められています。
住所:宮古島市伊良部字仲地158-1
電話:0980-78-3008
公式サイト

■ 沖之光酒造
「創業から一筋。熟成にこだわった、職人の誇り。」
1948年創業、70年以上の歴史を持つ酒造。すべての泡盛を一年以上熟成させて出荷するというこだわりがあり、豊かでまろやかな味わいを実現しています。地元の居酒屋でもよく見かける銘柄で、観光客にもおすすめ。
住所:宮古島市平良字下里1174
電話:0980-72-2245
公式サイト

■ 渡久山酒造
「伊良部島の大地が育む、黒麹のまろやかさ。」
伊良部島の佐和田地区に位置する、自然と調和した酒造所。地下水を仕込み水に使い、黒麹で丁寧に造られる泡盛は、飲みやすくもコクのある仕上がりです。口当たりの良さと自然の恵みが感じられる一本です。
住所:宮古島市伊良部字佐和田1500
電話:0980-78-3006
紹介ページ

■ 池間酒造
「低温熟成が導く、滑らかで深い余韻。」
池間酒造の特徴は、発酵段階から徹底した温度管理による低温熟成。これにより雑味がなく、飲みやすさと深みを両立した泡盛に仕上がっています。一般酒でも古酒のような味わいがあり、100%古酒の製品も展開中。
住所:宮古島市平良字西原57
電話:0980-72-2425
紹介ページ

【島の味を持ち帰ろう。宮古島のおすすめ酒屋3選】
島の酒屋 酒得(しゅとく)
「宮古島6酒造の泡盛が勢揃い!泡盛のセレクトショップ。」
下里通りに面した品揃え抜群の地元酒屋。多良川・菊之露・宮の華・池間・渡久山・沖之光と、島の酒造を網羅。初心者にも丁寧に接客してくれるのも嬉しい。
住所:宮古島市平良字下里779-1
電話:0980-74-2091

ワイン専門店 コートドール
「世界のワイン+沖縄の泡盛。島のセレクトが光る一店。」
約1000種のワインを揃える一方、宮古島泡盛や日本酒、フレッシュチーズまで幅広く扱う。プレミアムワインを管理するセラーも本格的。
住所:宮古島市平良西里565-2
電話:0980-79-9833

酒のダイタク
「地元密着型の老舗。宮古島の酒文化に出会える場所。」
豊富な泡盛ラインナップに加え、日本全国の銘酒も取り扱い。スタッフによる説明も丁寧で、選ぶ楽しさを味わえます。お土産や贈り物にも。
住所:宮古島市平良東仲宗根880
電話:0980-73-2100

最後に
泡盛はただのお酒ではなく、宮古島という土地の文化や人々の想いが詰まった“島の宝”です。
それぞれの酒造の物語と、個性豊かな一本に出会う時間は、旅に深みを与えてくれることでしょう。
泡盛を巡る旅を通して、宮古島のもうひとつの魅力に触れてみませんか?